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一般社団法人 日本翻訳協会(JTA)は翻訳の世界標準を目指します。

     

カナダ CTTIC

◆設立趣旨・沿革

CTTICは民間団体でありカナダ全国のプロの翻訳者、通訳者、ターミノロジストの地位と質の維持、向上のため1970年に設立されました。その際に1956年に設立の Society of Translators and Interpreters of Canada(STIC) を法的に引き継いでいます。現在は8州、1準州の組織から構成されている。その中のAssociation of Translators and Interpreters of Ontario(ATIO)the Ordre des traducteurs, Terminologues et interpretes agrees du Quebec(OTTIAQ)同様、創立当初からの会員です。

1972年以降以下の組織が加入しています。

 ・Corporations of Translators, Terminologists and Interpreters of New Brunswick (CTINB)
Association of Translators and Interpreters of Alberta (ATIA)
Association of Translators and Interpreters of Manitoba (ATIM)
Association of Translators and Interpreters of Saskatchewan (ATIS)
Society of Translators and Interpreters of British Columbia (STIBC)
Association of Translators and Interpreters of Nova Scotia (ATINS)
Nunavut Interpreters/Translators Association


◆活動内容

CTTIC50カ国以上の国をメンバーとして有し、またUNESCOを含む国際機関と連携しているthe International Federation of Translators (FIT)の一員として重要な役割を果たしています。何年にもわたり、FITの理事として、1977年にはモントリオールにおいて第8回世界会議を主催し、1990年にはヨーロッパ圏以外では初となるFITの代表に選ばれ、第16回世界会議は2002年にバンクーバーにて開催されカナダ人がFITの代表に選出されました。

CTTICは自身で設立のFIT Regional Network for North Americaを通じ北米の他の通訳、翻訳協会と緊密な連携を模索しています。

CTTICはカナダ全国レベルでそれぞれの支部と連携し、翻訳、通訳、ターミノロジストのプロの育成に努めています。 CTTICはカナダ全国レベルの 翻訳、会議通訳、法廷通訳、ターミノロジストの資格試験を実施しており、この試験は全国の加入している組織のメンバーになっているプロの翻訳者、通訳者を対象に行っています。

◆認定試験

1.CTTICが実施している認定試験
-英語→フランス語、フランス語→英語が過半数を占めている。それ以外の(日本語を含む)言語についても行われています。
-日本語の試験問題は英→日、日→英の双方向があり、一方だけ受けることも両方受けることも可能
-公認翻訳者、公認ターミノロジスト、公認通訳者、公認会議通訳者、公認法廷通訳者の許可は各州の協 会より与えられ、CTTICはカナダ全体の公認資格の基準の統一及び、管理を行っています。

 ただし、公認資格候補者と認められるためには各州の協会のいずれかのメンバーにならなければなら
 ない。
メンバー一覧>>

2.候補者がカナダで公認の資格を得るには3通りの方法があります。

1.書類を提出する方法
試験を受ける代わりに、学位や経験を証明する書類を提出して資格を得るもので、関連分野での学士を持っていて、少なくとも2年以上の関連の仕事についていること。もしくは、長年キャリアは積んできたが、学位がない場合は、少なくとも5年以上の経験があること。いずれかを証明できる書類を提出することにより資格を得ることができます。

2.研修により資格を得る方法(これは現在、Quebec及びNew Brunswickのみとなる)
6ヶ月以上の規定の研修プログラムを受け、規定の成績おさめることで、協会より資格の認定を得る
もの。

3.試験を受ける方法
受験資格は公認資格候補者であること。(地域の協会の会員になるにはおおむね、関係学位を取得していること、フルタイムで2年間の翻訳経験があること、公認翻訳者の候補になり得ること、などが挙げられる。詳細はそれぞれの協会のホームページより確認が必要です 。メンバー一覧>>

3.認定試験
CTTICの重要な役割の一つとしてプロとして認められるための基準の統一、それぞれの協会に所属する翻訳者たちの翻訳技術の監視が挙げられます。

また、全国統一試験が年に一回、需要に応じて、会議通訳、翻訳通訳、ターミノロジー別に行われます。それぞれの試験はプロとしての倫理学テストも含んでいます。

これらの公認試験を受けたいと思う場合、各州の協会に直接連絡をとり、その試験に合格することにより、公認翻訳者、通訳者、ターミノロジストを名乗ることができます。

4.翻訳試験
翻訳試験はすでにプロとして活躍している人で、自分の技術が同業者より認められ、公認翻訳者として名乗ることができるように希望する人のための試験です。このテストは適性とプロとしての技術を見るものです。翻訳試験は毎年数都市で行われ、申し込みは初秋頃に受け付けています。

5.会議通訳者試験
本試験はCTTICにより、既にプロとして200日以上の実績があります。もしくは同等の資格を持つ人のために行われます。

6.法廷通訳者試験
本試験もCTTICが行っており判定基準として、言語技術、法律ターミノロジー、法的手続き、法廷での継続的な通訳等を行っていることなどが含まれます。

7.ターミノロジスト試験
本試験は特別な分野の専門家としての技術を見るものです。

8.プロフェッショナルとしての認定
公認翻訳者、公認通訳者、公認ターミノロジストは現在、New Brunswick, Ontario, Quebec,British Colombia, ATIO, CTINB, OTTIAQ, STIBCの州、準州にて何年もプロとして働いてきた人に対して与えられる法的に認められている資格です。

9.汎カナダ互恵協約
カナダの8つの協会は互恵協約を結んでいます。協約に基づき、決められた条件を満たしていれば、違う協会でも同等の資格を保持していると認められます。

10.CTTICが行っている統一試験の受験ガイド
本試験は既に経験豊かな翻訳者で同業者に自分の能力の認定を求める人を対象としており、プロとしての技術を見るものです。試験は辞書等の持ち込みは認められていますが電子機器類の持ち込みは禁じられています。

本試験の為にCTTIC認定委員会が組織されており、試験用の問題等の選定を行っています。前年度のサンプル問題は受験者の所属する協会より入手できます。

11.CTTICの翻訳認定試験は3時間である。
受験者は1つが175-185 Wordsある問題を2つ翻訳しなければなりません。数年の経験があればこれらは十分な時間であると判断されます。一つめの問題は必修であり、一般的なものである。もう一つの問題は選択制で2つのうちから一つを選んで翻訳しなければなりません。一つは、簡単な技術、科学、医療に関するもの、もう一つは政治、経済に関連するものです。3つの問題は特別な知識を必要としません。

12.免責事項
すべての受験者は試験を受ける前に問題用紙を含むすべての試験用紙はに帰属し、どのような場合においても受験者には返却されないことを承諾する旨の書類に署名しなければなりません。ただし、試験に合格できなかった者に関しては事前に決められた場所での閲覧については要求できます。

13.採点について
CTTIC認定委員会の定めた2人の採点者により採点されます。合格は70%以上となっています。

14.採点基準
それぞれ2つのカテゴリーに分けられ、翻訳(理解力)、言語(表現、文法)の2つの点から判断され
ます。

15.不合格
不合格と判断された場合、受験者には書面にてどのような間違いにより不合格にと判断されたかを通知します。不合格者は採点に不服申し立てをするか判断するため自分の試験用紙を所属する協会の指定する場所にて閲覧することができます。

16.不服申し立て
不合格と判断された者は追加料金を支払うことにより不服申し立てをすることができます。その場合、試験用紙は3番目の採点者により再度、採点されます。

この不服申し立ての決定は最終でもし不服申し立てが認められた場合、その費用は全額返金されます。しかし、不服申し立てが認められることは稀であり、70%の合格点に近い場合のみそのような行為に及ぶよう、忠告しています。


◆教育

CTTICは会員の翻訳者、通訳者、ターミノロジストの技術、質の向上のため、オンラインで継続学習できる機会を提供しています。            

また、このCTTICの提供しているプログラムはthe Canadian Language Sector Enhancement Program (CLSEP)からの金銭的支援も受けています。

このCLSEPは公共団体でカナダの言語分野の能力強化推進プログラムを提供しており、大学の奨学金、言語関係の産業発展の為にそれぞれ、基金を設けています。

CTTICが提供しているオンラインプログラムは英語、フランス語で行われており、1つの講義は90分〜120分程度。現在講義数は25程度となっています。

講義の流れとしてはまず講義を受け、その後、テストを受けます。

テストは80%以上で合格となり、証明書を受け取ることができます。もし、テストに合格できなかった場合には復習し、再テストを受けることができます。

また、一度、講義料を払った講義についてはCTTIC-EDUのアカウントがある限り何度でもアクセスすることができます。1講義料カナダ$110CTTICのメンバーであれば約30%割引のカナダ$75で受講できます。

  (2013.3.15現在)

内容は既にプロフェッショナルとして仕事に従事している人の翻訳技術、実務に役立つ内容となって
います。

また、いくつかの地域の協会でも個別にワークショップを開催しています。

Association of Translators and Interpreters of Alberta (ATIA)

Association of Translators and Interpreters of Ontario (ATIO)

the Ordre des traducteurs, terminologues et interprètes agréés du Québec (OTTIAQ)

特にATIOは、毎月ワークショップを行っています。

ATIOワークショップ日程

201346日(土)9:00 – 16:00 オタワ大学にて

2013556()、(日)9:00 – 16:00, 9:00 – 12:00 オタワ大学にて


CTTICのホームページ